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2023.12.26

MATE.BIKEの3モデルX、Fusion、Cityはどう違う?【後編】

e-BIKEに造詣の深いライター 増谷茂樹氏が、MATE.BIKEの現行ラインナップである「MATE X」「MATE Fusion」「MATE City」の3モデルの違いに迫る企画。
後編では実際に試乗し、乗り味の違いに加えてどのようなシチュエーションや使い方に向いているのかを探ります。

MATE.BIKEの3モデルX、Fusion、Cityはどう違う?【後編】

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オフロードにも出かけられるMATE X

遊べるe-BIKEに仕上がっているMATE Fusion

街中を散策するのが楽しいMATE City

3モデルはどう違う?

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オフロードにも出かけられるMATE X

MATE.BIKEの象徴であり代名詞的な存在になっているのがXです。4インチ幅の極太タイヤを履いたシルエットは街中でも目立ち度は抜群ですが、そのグリップ力を活かしてオフロードも走行できるのが特徴。太いタイヤは見た目のインパクトだけでなく、内部のエアボリュームが大きいので衝撃吸収力に優れていて快適な乗り心地を提供します。

 

これだけ太いとタイヤの抵抗も大きくなりますが、アシストが強力なので苦もなく走り出すことができます。ただ、ガンガン速度を出して走るよりも、アシストの効く法定上限である時速24km以下で、景色や風を感じながら流すのが気持ちのいいモデルです。

太いタイヤに加えて、前後にサスペンションも備えているので街中の段差などはもちろん、オフロードや荒れた道もものともせず走ることが可能です。せっかくなので街を抜け出し、河川敷の砂利道などを走ってみましたが、安定して走行することができました。未舗装路はアスファルトに比べて路面の抵抗も大きいのですが、アシストのおかげでスイスイ進めます。

アシストは3モデルの中でも一番パワフルに感じます。これは、抵抗の大きいオフロードでもスムーズに走り出せるようにという狙いからでしょう。それに合わせてバッテリー容量も48V/14.5Ah (696Wh)と最も大きくなっています。

元々、このモデルはウィークデーは通勤や買い物などに使い、週末にはアウトドアに出かけるという北欧のライフスタイルに合わせて開発されたもの。太いタイヤのインパクトあるスタイルに惹かれて乗るのもありですが、休日はキャンプやアウトドアに出かけたいという人に乗ってもらいたいモデルです。

 

筆者は日本国内で発売されたばかりの頃にもXに乗ったことがありますが、今回試乗してみて感じたのは、その頃から比べても上質な乗り心地にアップデートされていること。見た目は同じでも、この数年で中身は進化していることが体感できました。スピードを出すよりも、上質なアシストが感じられる領域で、景色などを楽しみながら走るのがおすすめです。

 

遊べるe-BIKEに仕上がっているMATE Fusion

2.4インチ幅のタイヤを装着し、3モデルの中では中間的な位置にあるのがFusion。今年7月に登場した最新モデルでもあります。フレームにペイントされたMATE.のロゴもゴシック体となり、ディスプレイもコンパクトなLEDタイプが採用されるなど、今回乗った3モデルの中でも新世代の印象がある仕上がりです。

乗ってみて改めて感じるのはサスペンションの動きの良さです。Fusionは3モデルの中で唯一フロントにエアサスペンションを採用しています。リアのサスペンションもコイルスプリングが露出したタイプ。実際に乗ってみても路面への追従性が高く、ノブの低いタイヤとの組み合わせもあって路面をしっかり捉えている感覚が伝わってきます。

タイヤのグリップ感も高いので、コーナーリング性能も高く街中で乗っていてもちょっと遊んでみたくなる感じ。ちょっとスピードを出してコーナーを曲がってみたり、段差をきっかけにフロントを上げてみたりと、BMX的なこともやりたくなるモデルです。

アシストはXほどグイグイ引っ張られるような設定ではありませんが、十分にパワフル。街中の坂で登れないところはないでしょう。タイヤの太さがちょうどいいので、抵抗も少なく速度の維持もしやすい。街乗りはもちろんですが、ちょっとした遠出もしたくなるような仕上がりです。

 

街乗りがメインだけれど、ちょっと遊べるe-BIKEがほしい人、少し足を伸ばしてサイクリングなどに出かけたい人におすすめ。今回乗った3モデルの中では最もバランスが優れているように感じました。

 

街中を散策するのが楽しいMATE City

その名の通り街乗りを意識したモデルがCityです。3モデルの中では最も細い1.95インチ幅のタイヤを装備し、重量も21.5kgと一番軽量(Xは28.5kg、Fusionは26.0kg)。折りたたんだ際もコンパクトなので屋内に持ち込んで保管したい人にはピッタリのモデルといえます。

実際に走ってみても、軽さとコンパクトさが光ります。街中での取り回しがしやすいので、狭い路地でも気軽に入って行ける。小柄で力に自信がない人でも気負うことなく乗れるのも魅力の一つでしょう。また、近年では一般的になっている前輪をレールに入れるタイプの駐輪場にもすんなり止めることができるのも、街乗りユーザーにはうれしいポイントです。

乗っていて、もう一つ感じたのは止まって再スタートするのが苦にならないこと。スポーツタイプの自転車でスピードに乗って走っていると止まるのが嫌になることがありますが、e-BIKEの場合は発進時にアシストが効くので脚への負担がありません。そのため、気になるお店や風景に出会った際、気軽に止まって確認できるのがメリット。特にCityは軽量でタイヤも小径なので、再スタートがしやすく足付きもいいので寄り道しながら街乗りをするのにぴったりです。

意外に思われるかもしれませんが、アシストの特性は3モデルの中で最もスピードが出しやすい印象でした。(※アシストやスピードの感覚は乗る方によって異なります)細身のタイヤとの相性もあるのかもしれませんが、ペダルを回していくとスピードが乗ってきて、そのまま速度を維持できます。風を切って街中を走るのが気持ち良く、少し距離のある自転車通勤も難なくこなせる性能を秘めています。

 

余談ですが、サドルを高くして乗ると、ペダルに力が伝わりやすくなるため、バッテリー効率が向上するだけでなく、やや前傾姿勢になることで、体重が分散してサドルにのるためお尻の痛みも軽減するなど多くのメリットがあります。乗車姿勢はもちろん、駐輪時にサドルが高い位置にあると車体の美しさも際立ちます。

 

3モデルはどう違う?

3モデルを比較試乗してみると、見た目以上に性格に差があることが感じられました。アシストの特性も3車3様で、それぞれの特性に合わせて設定されています。購入する際は、どういう使い方をしたいのかに合わせて選ぶことが大切です。すごく大雑把にまとめると

  • アウトドアに出かけたりオフロードも走りたいならMATE X
  • 街乗りメインでちょっと遊べるモデルがほしいならMATE Fusion
  • 街中で通勤や散策に使いたいならMATE City

といったところでしょうか。機会があれば、3モデルとも試乗してみることをおすすめします。

 

Text : 増谷茂樹
Photo : 松川忍

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増谷茂樹

自転車・バイク・クルマなどタイヤの付いた乗り物を中心に様々な媒体で記事を執筆しているライター。
「e-BIKE」という言葉がなかった頃から、多くの電動アシスト自転車に乗り、試乗記事などを執筆。

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