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2023.12.05

MATE.BIKEの3モデルX、Fusion、Cityはどう違う?【前編】

今年「MATE Fusion」が登場し、MATE.BIKEの現状のラインナップは「MATE X」「MATE City」と合わせて3モデルとなりました。
それぞれにどんな違いがあり、どういう使い方に向いているのか? e-BIKEに造詣の深いライターの増谷茂樹氏に、実際にMATE.BIKEを見て・触って・乗っていただいたレビューを前後編でお届けします。

前編の今回は、3モデルの車体の違いを深掘りしてみます。

MATE.BIKEの3モデルX、Fusion、Cityはどう違う?【前編】

Content

今回使用した3モデル

違いはタイヤの太さだけじゃない

折りたたみ時のサイズも差がある

サスペンションの違いにも注目

ディスプレイにも違いが

パーツのセレクトも異なる

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プロダクトイメージ

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今回使用した3モデル

今回の撮影では、MATE Xは定番のSubdued Black,MATE Fusionは直営店限定カラーのGhost Gravity、MATE Cityは発売したばかりのChampagne Popを使用。

違いはタイヤの太さだけじゃない

3モデルを見比べると、一番に目に入るのがタイヤの太さ。スペックを見るとXが20×4インチで、Fusionが20×2.4インチ、Cityが20×1.95インチとなっています。数値的にはホイール径は同じ20インチですが、タイヤの太さが大きく違うため外径もかなり異なります。これだけタイヤサイズが異なるため、実はフレームの構造も違っているのです。

タイヤの一番太いXのフレームは、その分大きくて強靭。内蔵されるバッテリーも、48V/14.5Ah (696Wh)で最も大容量となっています。FusionとCityは36V/13Ah (468Wh)で同じサイズ。折りたたみ機構のヒンジ部分も異なる作りになっています。XとCityを並べてみると、その違いがわかりやすいでしょう。

モーターもスペック上の出力は同じ250Wとなっていますが、実は3モデルでそれぞれセッティングが異なっています。日本国内の法規では、アシストの上限は人がペダルを踏み込んだ力の2倍までと定められていて、時速10kmを超えると徐々に下げていき、時速24kmでゼロにしなければなりません。そのため、車体に合わせたセッティングが一番差が出る部分で、多くのe-BIKEがこの部分に注力しています。タイヤの太いXが一番パワフルに感じますが、その差もセッティングが生み出すもの。乗り比べてみると、乗り味もかなり異なります。

折りたたみ時のサイズも差がある

車体を折りたたむことができるのもMATE.BIKEの特徴ですが、タイヤもフレームが異なるため、折りたたんだ際のサイズにも差があります。一番大きなXは高さ78cm×長さ103cm×幅59cmで、FusionとCityは高さ68cm×長さ90cm×幅40cm。屋内に収納することを考えている場合、結構なサイズの違いになるため注意して選ぶ必要があります。

FusionとCityのサイズは数値的には同じですが、タイヤの太さが異なるので実際に見ると少しFusionのほうがスペースを取りそう。ちなみに通常時(走行時)のサイズはXが高さ124cm×長さ180cm×幅62cmで、Fusionが高さ108cm×長さ160cm×幅62cm、Cityが高さ108cm×長さ160cm×幅57cm。駐輪場のスペースに限りがあるような場合は、こちらのサイズも気にしておいたほうがいいかもしれません。

 

サスペンションの違いにも注目

タイヤ、フレームに加えて前後のサスペンションも異なります。タイヤの太いXは、フロントサスペンションの幅が広くなっているのは一目でわかりますが、実は内部構造も異なっているのです。フロントフォークはXとCityは内部にコイルスプリングの入っているタイプで、Cityにはスプリングの動きを調整するプリロード機構が、Xにはプリロード調整機構に加えて動きを抑制するロックアウト機構が装備されています。そしてFusionにはエアサスペンションを採用。動きの良さが特徴で、こちらもプリロード調整機構とロックアウト機構を搭載しています。

リアサスペンションは3モデル共にコシがある動きが特徴のコイルスプリングサスペンション。長さはXが150mmでFusionが130mm、Cityが125mmです。タイヤの太さも乗り心地を左右する要素ですが、サスペンションによっても乗り味は異なりますので、購入を検討する際には、ぜひサスペンションの違いにも注目してください。

ディスプレイにも違いが

走行速度やバッテリー残量を表示するディスプレイも、XとCityはハンドルの中央部に大きめのものが装備されていますが、3モデルの中では最新型となるFusionはコンパクトなものが左手側についています。表示もシンプルですが、ハンドルまわりがすっきりして見えるのが利点。ハンドルにライトやスマホホルダーなどを装着するカスタムもやりやすいといえます。

パーツのセレクトも異なる

3モデルの価格を比較すると、Xが37万4000円、Fusionが33万円、Cityが27万5000円(すべて税込/ 2023年12月現在)と最大10万円弱の差があります。バッテリーの容量などの違いもありますが、細かいパーツの違いも価格差に影響する部分です。変速ギアを見ると、Xは8速でFusionが9速、Cityは7速になっています。アシストがあるので、そこまで多くのギアは必要ないともいえますが、オフロードや坂道を走るのであればギアは多いほうがありがたいもの。使いたいシーンに合わせてセレクトするのが正しい選択といえるでしょう。

また、ブレーキは3モデルとも前後ディスクですが、Cityは機械式、XとFusionは油圧式となっています。油圧式のほうが、少ない力で大きな制動力を得られるので、オフロードなどではメリットが大きい。ただ、メンテナンス性については機械式のほうが優れているともいえます。

細かく見ていくと、見た目以上に差異の多い3モデル。タイヤの太さだけでなく、想定される使用シーンに合わせてモーターのセッティングやパーツのセレクトがされていることがわかります。後編では、実際の乗り味がどれくらい異なるのか、おすすめの使用シーンも合わせてレポートします。

 

Text : 増谷茂樹
Photo : 松川忍

Profile

増谷茂樹

自転車・バイク・クルマなどタイヤの付いた乗り物を中心に様々な媒体で記事を執筆しているライター。
「e-BIKE」という言葉がなかった頃から、多くの電動アシスト自転車に乗り、試乗記事などを執筆。

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今回使用した3モデル

違いはタイヤの太さだけじゃない

折りたたみ時のサイズも差がある

サスペンションの違いにも注目

ディスプレイにも違いが

パーツのセレクトも異なる

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