CULTURE

2024.07.11

Denmark, A Cultural Powerhouse #7

ヒュッゲのほのぼのとしたイメージとは裏腹に、”イノベーション先進国”としての一面も持つデンマーク。彼らの革新性に流れる3つのスピリットとは。

Denmark, A Cultural Powerhouse #7

Content

Innovation
未来を動かす変革

1. Spirit of adventure
冒険家精神

2. Inventor’s mind
発明家精神

3. Entrepreneurship
起業家精神

Innovation
未来を動かす変革

「欧州のシリコンバレー」とも言われる北欧諸国。デンマークはヒュッゲに代表される温かみのあるデザインや穏やかな国民性のイメージが強い一方で、テクノロジーの活用やデジタル化が進み、注目のスタートアップ企業が続々と誕生しているヨーロッパきってのイノベーション・ハブでもあります。

さまざまな分野で世界をリードする彼らのイノベーティブなマインドを探れば、変革をもたらす新しい価値基準を見出せるかもしれません。

Image: DANSKE ARKITEKT VIRKSOMHEDER / Studio Marie Persson

1. Spirit of adventure
冒険家精神

デンマーク人の祖先にあたるヴァイキングは、航海や探検、新しい集落づくりや紛争が頻発する激動の時代を生きた人たち。北欧の伝説によると、ヴァイキングとは単なる肩書きではなく、彼らの行動そのものを指して定義されていたそう。

自分が「何者であるか」よりも、「何をするか」にこだわって行動を起こし続けた彼らは、根っからの冒険家。

能力や実績には執着せず、ただ持っている機会に対してアクションを起こす選択を積み重ねて、可能性を現実のものにしていく。このようなデンマーク人のイノベーション意欲あふれる心には、ヴァイキングたちのDNAが受け継がれています。

Image: Shutterstock

2. Inventor’s mind
発明家精神

人口に比べて特許数が多く、農業やIT、環境科学、医療など、さまざまな分野で世界をリードする発見を生み出し続けるデンマーク。子どもたちに無限の可能性を感じさせてくれるカラフルなLEGOブロックに、国際電話の概念を大きく変えたSkype、そして今や生活に欠かせないものとなったGoogleマップも、実はデンマーク人による発明です。

ユニークな教育制度でも知られるデンマークでは、小さな頃から常識に疑問を持つように教えられ、大人の指示ではなく自分の意思で行動を選択し、チームワークや問題解決のアプローチに焦点を当てるよう育てられています。

同じ制度を取り入れることはできなくても、新しい発想を賞賛し、変化を受け入れる環境をつくることは、現状を打破する革新的なアイデアを生み出すエネルギーとなるはず。

Image: Lars Aarö, Petri & Betz, Ole Hein Pedersen / Studio Olafur Eliasson

3. Entrepreneurship
起業家精神

各国のイノベーション能力とパフォーマンスを評価する Global Innovation Index(グローバル・イノベーション・インデックス)でTOP10入りしたこともあるデンマークは、日本の兵庫県ほどの人口に、九州と同じくらいの国土を持つ小さな国。そのため限られたリソースの中で、創造性をめぐらせて試行錯誤を繰り返すことには長けています。

高い教育水準と柔軟な雇用制度が背景にあることはもとより、彼らの革新性は、誰かがしてくれることを待つよりも自らが動く主体性、失敗しても挑戦し続ける姿勢にも表れます。そのような個々のスピリットは、チームがより良いものを目指す雰囲気を醸成し、成果を生み出すカギなのかもしれません。

Image: Shutterstock

イノベーションとは、最新のテクノロジーを使って画期的なビジネスモデルを開発することが全てではありません。

日常のささいな中でも、自分に制限を設けず、やりたいことを行動に移すこと、失敗を恐れずアドベンチャーとして楽しむことは確かな変化であり、新しい発想やトライアンドエラーを繰り返して壁を乗り越えていくならば、きっと私たちの周りや社会に大きな変革をもたらすことはできるのです。

 

 

Text: Sara Um

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未来を動かす変革

1. Spirit of adventure
冒険家精神

2. Inventor’s mind
発明家精神

3. Entrepreneurship
起業家精神

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