MATE.BIKEの新世代4モデルは何が進化して、それぞれどんな特徴がある!? 詳細を比較【後編】
先日「MATE City 2.0」が登場したことで、「MATE X EVO」「MATE Fusion 2.0」と合わせてMATE.BIKEの主要ラインナップの新世代モデルが出揃いました。この3モデルに5月に登場した「MATE GO+」を加え、それぞれどんな違いがあり、どんな進化を遂げているのか? e-BIKEに造詣の深いライターの増谷茂樹氏に、実際に触って、乗ってもらったレポートを前後編でお届けします。
前編では試乗インプレッションをお届けしましたが、後編では各モデルの特徴と進化点を深堀りします。
前編から記事を読む
タイヤサイズで走りのフィーリングが異なる
4車種を並べてみると、まず目に付くのはタイヤのサイズでしょう。MATE.BIKEのアイコンでもある「MATE X EVO」は20×4.0インチという極太のタイヤを履いています。接地面が大きくオフロード向きのタイヤなので、未舗装路や荒れた道でもグリップが良く、エアボリュームが大きいので乗り心地も快適です。
次にタイヤが太いのが「MATE Fusion 2.0」でサイズは20×2.4インチ。一般の小径自転車よりも太めのタイヤで安心感が高く、コーナリングのフィーリングも良好です。「MATE City 2.0」と「MATE GO+」は20×1.95インチで一般的な小径サイズ。細身なので漕ぎ出しが軽く、ラック式の自転車置場にも入れられるので街乗りに向いています。
フレームサイズの違いにも注目
タイヤの違いに注目が集まりがちですが、実は4つのモデルはフレームの設計も異なります。下の写真は手前から「MATE GO+」「MATE City 2.0」「MATE Fusion 2.0」「MATE X EVO」を並べて撮ったもの。フレーム中央部の高さが違うことがわかるかと思います。
一番フレームの高さが低く、またぎやすいのは「MATE GO+」で、徐々に高さがアップしていき「MATE X EVO」はかなり高くなっています。同じようなデザインに見えますが、小柄なライダーにとっては、乗りやすさに関わる部分です。
タイヤサイズとフレームが異なるので、折り畳みサイズにも違いがあります。最も大きいのは一番右の「MATE X EVO」で折り畳んだ状態でのサイズは高さ78×長さ103×幅59cm。「MATE Fusion 2.0」と「MATE City 2.0」は高さ68cm×長さ90cm×幅40cm、「MATE GO+」は高さ69×長さ93×幅48cmです。
フレームに特徴があるのは「MATE GO+」で、チャイルドシートを取り付けることを前提に設計されているので上の写真のようにリア周りが長くなっています。4モデルの中では唯一、前後にサスペンションを装備していないので乗り味も異なります。
新世代モデルはアシストも進化
新世代に進化した3モデルは、それぞれアシスト性能もブラッシュアップされています。詳しくは前編の試乗レビューで触れましたが、「MATE X EVO」と「MATE Fusion 2.0」はパワーアップしていることが感じられ、特に「MATE Fusion 2.0」は加速が鋭くなっていました。
ちなみに、この2車は同タイプのドライブユニットを採用していて、「MATE City 2.0」と「MATE GO+」は同じドライブユニットを使っているため、アシストフィーリングは似ています。前の2車はペダルを回していくとパワーが上乗せされる感覚で、どちらかというとロングライドに出掛けたくなるフィーリング。後者の2モデルは、漕ぎ出しの加速が良く、ストップ&ゴーの多い街乗りに向いている制御です。
足回りもグレードアップ
進化のポイントとして見逃せないのが足回りです。「MATE X EVO」はフロントサスペンションがコイルスプリング式からエアー式にグレードアップされています。エアー式なったことで、細かい振動の吸収性がアップしているので、オフロードの走破性だけでなく荒れ気味の舗装路での乗り心地も向上していました。
リアのサスペンションもコイルスプリングが露出したタイプに。こちらも動きにコシが出ることで乗り心地が向上します。このサスペンションの組み合わせは、先代の「MATE Fusion」が採用していたもので、もちろん新型の「MATE Fusion 2.0」にも受け継がれています。
「MATE City 2.0」のサスペンションは従来のままですが、ブレーキが機械式から油圧式のディスクブレーキにグレードアップ。油圧式ディスクブレーキはマウンテンバイクやクルマなどにも採用されている方式で、少ない力でも大きな制動力を発揮することができるのとコントロール性が優れているのがメリットです。
ディスプレイが共通したイメージに
新世代モデルで一番見た目にわかりやすいのはディスプレイです。従来モデルの「MATE X」と「MATE City」はハンドルの中央部に大きめのディスプレイが装備されていましたが、新型では左手側にコンパクトなボタン一体式のものを採用。「MATE Fusion 2.0」は従来モデルから、このタイプを採用していたので変更はありません。
画面は小さくなっていますが視認性が落ちることはなく、実際に乗ってみると操作性が直感的で扱いやすくなっているように感じました。また、コンパクトになったことで折り畳んだ際にぶつけてしまう心配もなくなっています。
ギアの変速段数
新モデルとなりましたが、ギアの変速段数は「MATE X EVO」が8段、「MATE Fusion 2.0」が9段、「MATE City 2.0」と「MATE GO+」は7段と従来から変更はありません。
選ぶ際にチェックしておきたいのは、変速の操作方法です。「MATE X EVO」と「MATE Fusion 2.0」は親指と人差し指で操作するスポーツタイプの自転車で一般的なレバー式。「MATE City 2.0」はグリップを回す方式で、「MATE GO+」は親指で操作するタイプとなっています。個人的にはレバー式が操作しやすいと感じますが、慣れていない人はグリップ式のほうがわかりやすいと感じることもあるので、購入前に確認しておきましょう。
最後に価格ですが、「MATE X EVO」は407,000円、「MATE Fusion 2.0」は363,000円、「MATE City 2.0」は275,000円。「MATE GO+」は220,000円で、チャイルドシートやセンタースタンド、ライトなどを含む「MATE GO+ Family」は253,000円と267,300円となっています。
それぞれに特徴を持った個性的な4モデルが揃うMATE.BIKE。新世代モデルに進化したことで、さらに魅力を増していると感じます。購入に当たっては、各モデルの特徴や自分の乗り方などを考慮したうえで最適なモデルを選びたいところです。
Text : 増谷茂樹
Photo : 松川忍
Profile
増谷茂樹
自転車・バイク・クルマなどタイヤの付いた乗り物を中心に様々な媒体で記事を執筆しているライター。
「e-BIKE」という言葉がなかった頃から、多くの電動アシスト自転車に乗り、試乗記事などを執筆。
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