Ride for Better Mental Health
移動手段にエクササイズと多くのベネフィットがある自転車。実はその側面で、心の健康にも良い影響が。10月10日の「世界メンタルヘルスデー」をきっかけに、サイクリングがメンタルヘルスにもたらす5つのメリットを知りましょう。
心を「ケア」する
各界のセレブリティやトップクラスのアスリートなど、著名人が自身のメンタルヘルスについてオープンに語る姿も珍しくなくなった今。心の不調は誰にでも起こりうる一方で、意外と見過ごしてしまいがちなのも事実。ボディやスキンケア、健康維持を意識するのと同じように私たちの心にも日常的なケアが必要です。
運動は身体の健康に重要な役割を果たしますが、心の健康にも役立ちます。普段の生活に取り入れやすいサイクリングは、メンタルヘルスケアに最適な方法なのです。
1. ストレスの軽減
自転車に乗ると、その運動効果によって放出される脳内物質がストレスを軽減させてくれることが分かっています。満員電車やバスに揺られる時間は、目には見えなくともささいな苛立ちやストレスの一因。通勤・通学の移動を自転車に置き換えた人はストレスを感じるリスクが低く、さらに定期的な運動をルーティーンに組み込むことで、よりよい改善を示唆する研究も。体を引きずりながらジムに通う屈強な精神力も素晴らしいけれど、それ自体が心的負担となっては本末転倒。生活に無理なく運動を取り入れられるだけでなく、澄んだ空気や四季を感じながら一日の始まりと終わりを楽しめるのもサイクリングならでは。
2. 気分の改善
気分が塞ぐときは甘いものやコーヒーでひと息ついたりストレッチなどの軽い運動をする方法がポピュラーですが、サイクリングも気分転換にぴったり。ストレスレベルが下がることによる不安の減少、屋外へ出るモチベーション、そしてサドルに跨るというアクションがスイッチのように働くことで自然と気持ちの切り替えにもなります。またサイクリングは血液をより速く体中に送り出し、有益な脳内物質を急速に広げてくれるので、短い時間でも効率よくリフレッシュすることができます。
3. 抗うつ効果
うつ症状に対して効果的とされる有酸素運動の中でも習慣や趣味として成立しやすいサイクリングは、小さな負荷で長時間できるエクササイズ。強度をコントロールしやすく1人でもできて、時間や場所を選ぶことができる点からも、ハードルが低く継続に向いたアクティビティと言えます。もともと運動習慣のない人でも、身体を動かすことや動かした後の気持ちよさを思い出すといった感覚を取り戻すことから始められるのも自転車の利点。サイクリングは予防習慣としても取り入れやすい身近なメンタルヘルスケアです。
4. “脳力”アップ
心の不調が気分の落ち込みや意欲の低下にとどまらず、脳機能が落ちることによる集中力・記憶力・判断力の低下やさまざまな身体症状に現われることからも、メンタルヘルスの重要性をうかがえます。有酸素運動は血行の促進、栄養と酸素の供給によって脳にも良い影響を与えることが認められており、サイクリングも脳の働きをスムーズにしてくれるその一つ。定期的に自転車に乗ることは思考プロセスを助けてくれるため、結果として精神的スキルと”脳力“のアップにも期待できそうです。
5. セルフイメージの向上
ワークアウトによる心理的効果には達成したことで得られる成功体験や自己効力感の高まりなどがありますが、ランニングやジムでのトレーニングと比べると運動としての認識が薄いサイクリング。しかしライディング時間や環境を変えることでそれらに匹敵する運動量と達成感を得ることも可能です。さらに自転車は移動手段とフィットネスを兼ねて利用・投資できることもプラスのメリット。スタイリッシュなe-BIKEを手に入れてムードを高めることや、CO2を排出しない自転車というエシカルな選択をすることもまた、ポジティブなセルフイメージと自信を与えてくれます。
Text: Sara Um