Lively Denmark
春、来たる。少しずつ色づいていくデンマークの景色を想像したら、浮かれた気分を自由に味わってみましょう。
Bloomy
満開の景色
日本の春といえば、桜。淡いピンクの花が咲き誇る様子ほど、この季節を象徴するものはありません。そして実はデンマークでも毎年、桜が春の訪れを告げています。飛行機でおよそ半日ほど離れたこの地にも、日本と同じ頃、同じ景色が広がっているとは、なんとも情緒的です。
ソーシャルメディアで人気のコペンハーゲンのお花見スポットでは、並木道にピンク色のトンネルが出現。200本もの桜が植わるランゲリニエ公園では4月に「桜祭り」が催され、日本文化の紹介や日本食のお店などが立ち並ぶのだそう。
レジャーシートを敷いて楽しむ姿も多く、デンマーク人にとってお花見は春限定のヒュッゲな時間。うららかに活気づいていく街通りや公園は満開の桜で飾られ、かすかに寒さの残るデンマークの春を華やかにしています。

Kirsebæralléen, Copenhagen: Shutterstock
Cheerful
春の象徴は元気いっぱい
世界最古の遊園地は、デンマークにあることを知っていますか?首都から北に車でわずか10分、何世紀にもわたってコペンハーゲンの人々に愛されてきたバッケンは、冬が終わる頃、毎年4月に開放されます。
つまり遊園地の開園は、春の始まりの合図。さまざまな乗り物、パブやライブミュージックなどを子どもから大人まで楽しめるアミューズメントパークで、家族連れから若いカップル、シニア世代までもがそれぞれの楽しい一日を過ごしています。
おとぎ話に出てくるような森の中にあるバッケンは、ノスタルジックな雰囲気と現代的で楽しいエンターテイメントを組み合わせた場所。まるで森の中のサプライズ感たっぷりなのは、どこかトロール狩りにも通ずるところ。
コペンハーゲンの象徴、チボリ公園もイースターに向けた飾り付けがされ、その開園を持って春を告げています。各施設の再オープンは、デンマーク人にとっては春のハイライトとも言えそうです。

Dyrehavsbakken: Bakken
Swirling
ナイトスカイに引き込まれて
春ならではの光景を楽しめるのは、日中の間だけではありません。デンマークの夜空もまた、季節ごとの表情を映し出す広大なスクリーンとなります。
春分の頃はデンマークでオーロラを目にするチャンスが最も高くなるタイミングで、なんと首都コペンハーゲンからも幻想的な光のカーテンを眺めることができるそう。星空保護区に指定されているモン島では、天の川や流れ星を驚くほど鮮明に見ることができると言われています。
夏に向かうほど日が長く、日没は23時近くにもなるデンマークでは、夜の暗さをじっくり楽しめるのは5月までの期間だけ。限られた春の夜の星空観賞は、人気のナイトアクティビティの一つです。

Gilleleje, Denmark: Shutterstock
心地よい気温に誘われて、そろそろ外の空気を楽しみたくなる頃。少し足を延ばして、春の景色を楽しんでみては。
Text: Sara Um