CULTURE

2024.04.16

GO FUN GREEN

地球環境について考える「EARTH DAY(アースデイ)」のある4月は、アースマンスと呼ばれる"地球月間"。私たちを癒しリフレッシュさせてくれる自然への感謝を思いながら、デンマークのサステナブルなアウトドアアクティビティを参考に、地球を愛することを楽しみましょう。

GO FUN GREEN

Content

Friluftslivのアイデア

多彩なアクティビティ

アイランド・エクスプローラー

レジャーと社会貢献のベストマッチ

巨大トロール探し

問題を受け入れる

地球を考えるとは

Friluftslivのアイデア

デンマーク人が自分にとって心地の良いものすべてを指すHYGGE(ヒュッゲ)のほかにもう一つ、翻訳できないデンマーク語があります。FRILUFTSLIV(フリルフツリーウ)は「自然の自由な空気の中で暮らす」という意味で、アウトドア愛を表現した言葉。

これは北欧諸国のライフスタイルコンセプトであり、多忙な生活から切り離され、周囲の自然と再びつながることです。自然環境が身近にありアクセスしやすいデンマークは、コペンハーゲンの中心部から地下鉄に乗ってわずか10分で、鹿が歩き回るような公園や海岸まで行けてしまいます。

The dear park in Dyrehaven, Denmark

多彩なアクティビティ

フリルフツリーウには、どのようなアクティビティが当てはまるでしょうか?答えは、自然を満喫できるものならほとんど何でも。

たとえばサイクリングやトレイルランニング、あるいはデンマークのニュートレンドにもなっている、森の中を瞑想的なアプローチで歩く森林浴や、トロール探し(!)かもしれません。氷河期時代の地形を生かしたウォーキングルートに、天文台の星空観測シェルター、グランピングパオなど新たなスポットが次々に登場しているとか。

多くのデンマーク人は自宅やオフィスから外に出て、周辺を探索しながら楽しむ手段としてフリルフツリーウを満喫し、緑豊かな環境の中にそれぞれが求めていた安らぎを見つけています。今回はその中でも、最高にデンマーク的でサステナブルな方法で自然とつながるアクティビティをいくつかご紹介。

Hiking bridge in Mons Klint, Denmark

アイランド・エクスプローラー

もしもビーチサイドでのリフレッシュを望むなら、電気フェリーでアイランドホッピングを。

風車が林立するロラン島や、2006年にはすでに電力需要の100%と熱需要の70%を再生可能燃料で供給することに成功しているサムソ島など、デンマークの島々では現在、再生可能エネルギーに完全に依存し、100%持続可能な状態を目指して取り組みを進めています。

その他にも島国デンマークの数百の島にはそれぞれの特徴があり、美味しいロブスターを堪能したり、砂丘や野鳥を目の当たりにすることができたりと、リラックスして自然と関わり、触れ合う機会を与えてくれます。

CO2を排出しないクリーンな移動と組み合わせて、大自然のパワーに改めて感謝する1日を過ごせそうです。

Samsoe Island, Denmark

レジャーと社会貢献のベストマッチ

運河沿いにカラフルな建物が並ぶニューハウンに代表されるように、デンマークの景色に欠かせないのが水辺。大多数の都市では、カヤックを無料でレンタルすることができます。

しかし、これには一つだけ裏が。レンタル料金の代わりに、港で拾ったゴミと引き換えにカヤックを借りられるシステムで、楽しみながら良いことをする画期的なアクティビティなのです。

コペンハーゲン、オーフスといった大都市なら、高層ビルの間や橋の下、そして立派なモニュメントのそばを漕ぎながら非日常的な眺めを味わえます。地域の美化に協力し、環境汚染に対するアクションへ参加すると同時に美しい街並みを楽しめる、なんともクールで有意義なレジャーです。

Kayaking in Nyhavn, Copenhagen

巨大トロール探し

都会の喧騒から離れたいとき、デンマーク人は自然と触れ合うのが大好きです。そしてそんな彼らにとってトーマス・ダンボの「トロールの宝探し」は、普段あまり訪れることのない新しいエリアを探検する、最も楽しいアドベンチャーの一つ。そばを通り過ぎるだけでは見つけられないような森の中に隠された、巨大なトロール像を探しにいく人気のアクティビティです。

地図に頼りながら用心深く目をこらしていると、気づかないうちに自然の奥へと誘われていく素敵な仕掛け。そして、まるで人間たちとの出会いを楽しむかのようなトロールたちが、実はローカルの廃材で作られているところにもデンマークらしさが溢れます。

Photo: Courtesy of Vallensbæk Kommune

問題を受け入れる

コペンハーゲンの工業地帯に広がるのは、少し風変わりな景色。海辺にそびえる巨大な廃棄物の焼却施設「コペンヒル」は、単にごみを燃やすだけの場所ではありません。

なんと施設の屋上にはスキー用のスロープが設けられ、頂上までの道にはハイキングコースが。景色を眺めてゆったり過ごしたり、ボルダリングやコンサートなども楽しめるレクリエーション施設として、ローカルにもビジターにも親しまれています。

コペンハーゲン周辺の家庭、約10万世帯へ電力を届けるソリューションとなるばかりか、廃棄物エネルギー・プラント(ごみ焼却発電所)が、都市のランドマークとなり人気スポットとして受け入れられるアイデアには、遊び心とクリエイティビティが満載です。

Copenhill in Copenhagen

地球を考えるとは

デンマーク人がエコやグリーンを考えるとき、いつもそこにあるのは義務感や責任感以上に、自然を喜び楽しむ心。デンマークには至るところにサステナブルなアイデアがありますが、どれもがポジティブなモチベーションをきっかけに始まっています。

彼らにとって「地球環境を考える」とは、これまでの人の歩みを受け入れながら、今ある自然に感謝して楽しみ、将来も地球と人が生き生きと活動しつづけられるように準備していくこと、つまり「地球と人の両方を生かす」こと、なのかもしれません。

自然にしかできないことは自然に、人にしかできないことは人が。そしてストイックさよりも、喜びのパワーで。
アースマンスをきっかけに、外に出かけて地球を愛する楽しみを見つけてみましょう。

 

 

Text: Sara Um

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レジャーと社会貢献のベストマッチ

巨大トロール探し

問題を受け入れる

地球を考えるとは

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