CULTURE

2024.02.23

Denmark, A Cultural Powerhouse #6

デンマーク人の幸せマインドの源泉はHYGGE(ヒュッゲ)のカルチャーに。フィジカルとメンタルの両側面のアプローチから、北欧の"豊かな"暮らしの秘密と、人生を満喫する秘訣を探求する。

Denmark, A Cultural Powerhouse #6

Content

As the Term
ホールコンセプト

HYGGE as “doing”
テイク・アクション

HYGGE as “being”
フォロー・ユア・ハート

Keep it simple, Keep it easy
シンプルに、イージーに

As the Term
ホールコンセプト

ここ数年の間で、目にする機会が増えた「ヒュッゲ」と言うトレンドワード。明確に直訳できる言葉はないものの、「居心地がいい空間や楽しい時間」と定義されることが多く、生活の中にあるシンプルなことを楽しむことで得られる、ホリスティックな幸福感や満足感をあらわします。

古いノルウェー語を起源としたこのワードは、今やアメリカやイギリスではそれ自体が一つの出版ジャンルとして成立し、世界で最も権威があるとされる英語辞書の一つ、オックスフォード英語辞典にも収録されるほど存在感を増しています。

友人や家族といった親しい人と一緒にいることで得られる充実感や、背伸びしなくてもいい空間、自然の美しさを感じたり、物を大切に扱うことなどなど。
デンマーク人は頻繁に「ヒュッゲであるか、ないか」を判断基準にするともいわれますが、ヒュッゲとは、具体的な行動から心の状態といった多くの意味をゆたかに包括する概念であり、価値観であり、生き方でもあるのです。

Photo-on-the-top: Courtesy of Hygge Life

HYGGE as “doing”
テイク・アクション

あたたかさ、和やかさ、コミュニティをも意味するヒュッゲカルチャーは、北欧の幸福感があふれる源であり秘訣そのものです。デンマーク人が受け入れてきたこのコンセプトの良さは、どんな所にも適用ができること。世界のどこにいても、いつでも、その要素を取り入れることができます。

寒い冬にお気に入りのオーバーサイズのセーターを着て、パチパチと燃える暖炉のそばでホットチョコレートを飲みながら、キャンドルに囲まれて本を読む。これは私たちが真っ先に思い浮かべるイメージですが、デンマーク人は一年中、季節に関係なくヒュッゲを実践しています。

たとえばピクニックや友人とのバーベキュー、サイクリング、野外コンサートもすべて、ヒュッゲなアクティビティ。またアウトドアに限らず、自宅の中に自分が落ち着くスポットを見つけることや、家族とコーヒーテーブルを囲むこと、季節のハーブやスパイスを料理に加えてみたり、恋人へ親しみを込めた手紙を書くことも最高にヒュッゲな時間といえます。

Photo: Courtesy of Hygge Life

HYGGE as “being”
フォロー・ユア・ハート

住みやすい国として高く評価されているデンマークですが、厳しい寒さが数か月におよぶ冬には、日照時間が短くなることからうつ病を発症する人も少なくありません。北欧諸国は税率の高さをはじめ、特有の気候ゆえに暮らしにくそうな面があるのは事実。

そしてユートピアという意味のとおり完全無欠な理想郷が実在しないように、デンマークにも地方過疎化や難民政策などの社会課題ももちろん存在しています。それでもなお彼らが「世界で最もハッピーな人種」と呼ばれ、たとえ困難があったとしても自らを幸せだと言えるのは、ヒュッゲの考え方を大切にしているから。デンマーク人は身近で些細なことに充足感を見出すのが得意なのです。

彼らの根底には「背伸びせずとも手に入れられる幸せ」の価値観があり、自分がハッピーかどうかを自分で決められる、自立したマインドが備わっています。自身がどうありたいか、何を大切にして生きたいかという”あり方”に迷いがないからこそ、社会情勢の変化や人生の選択においても揺らぐことがありません。具体的なアクションはもとより、ヒュッゲのコツは、心のあり方にさえ見つけることができます。

Photo: Courtesy of Hygge Life

Keep it simple, Keep it easy
シンプルに、イージーに

まるで誰が一番忙しいか、満たされているかを競うようなオーバーワークの末、沢山の重荷を抱えてしまう今日の私たち。いま世界中で共感を呼んでいるヒュッゲとはある種の、現代に必要な”バウンダリーをひく口実”かもしれません。

持っているものを大切にして無駄な見栄を張らず、本当に必要なものを揃えること。デジタルデトックスをして、自分への楽しみを用意すること。ワークライフバランスを見直して、大切な人との時間を過ごすこと。人と比べず、自分に正直に生きること。時間の流れを楽しみ、今に感謝すること。

幸せに生きるという、難しそうで大きなテーマとも思えるこの目標は、私たちが考えるよりもシンプルでイージーであることを ”世界一ハッピーな” デンマーク人は教えてくれます。
決して大それたものでなくても、たとえ丁寧にできなかったとしても、日々の忙しさのなかで自分の心躍る瞬間と居心地のいい仲間や場所を確保したなら、こう言ってあげましょう。

「これ、ヒュッゲだね。」

 

乗る人の生きる世界観や価値観を広げ、あらゆる面でより良い未来を作りたいという想いから始まったMATE.BIKEは、自転車先進国、デンマーク・コペンハーゲンで2016年に誕生しました。私たちは自転車ブランドの枠を超え、ヒュッゲな存在としてどこにでもある日常、人生のさまざまな時に心躍る瞬間を届けたいと願っています。

 

Text: Sara Um

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ホールコンセプト

HYGGE as “doing”
テイク・アクション

HYGGE as “being”
フォロー・ユア・ハート

Keep it simple, Keep it easy
シンプルに、イージーに

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