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2025.08.02

MATE.BIKEの新しい4モデルの乗り味はどう違う?【前編】

8月2日に「MATE City 2.0」が登場し、「MATE X EVO」「MATE Fusion 2.0」と合わせてMATE.BIKEのラインナップはすべて第2世代に進化しました。
5月に加わった「MATE GO+」を含めて、どんな乗り味に進化しているのか?それぞれどんな違いがあるのか?e-BIKEに造詣の深いライターの増谷茂樹氏に、実際に触って、乗ってもらったレポートを前後編でお届けします。

前編では、それぞれのモデルに試乗し、乗り味の違いについて紹介。後編では進化のポイントと各モデルの特徴にフォーカスします。

MATE.BIKEの新しい4モデルの乗り味はどう違う?【前編】

Content

今回試乗した4モデル

さらに上質になった「MATE X EVO」

走る楽しさがさらに向上した「MATE Fusion 2.0」

キビキビした走りに進化した「MATE City 2.0」

子乗せを前提に開発された「MATE GO+」

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今回試乗した4モデル

写真右から「MATE X EVO」「MATE Fusion 2.0」「MATE City 2.0」「MATE GO+」。ロゴもすべて共通となりましたが、こうして並べてみると思った以上に違いがあることがわかります。

※「MATE GO+」にはオプションのフロントバスケット、リアキャリア、前後フェンダー、センタースタンドが装着されています。

さらに上質になった「MATE X EVO」

MATE.BIKEを象徴する存在である「MATE X」が「MATE X EVO」に進化しました。特徴的な20×4インチの極太タイヤはそのままに、走りに関わる機能がブラッシュアップされています。

またがってみて、まず感じるのはハンドルまわりがスッキリしたこと。前モデルは大きめのディスプレイが装着されていましたが、新型ではコンパクトなLEDディスプレイに。ボタンと一体となっていて、操作性も向上しています。

走り出すと、アシストもパワーアップしているように感じます。それも発進時に押し出すような加速感ではなく、ペダルを回していくとグングンとスピードが乗って来る感じ。このアシストフィーリングは近年のe-BIKEではトレンドとなっているものです。

ドライブユニットが変わったのかと思うほどでしたが、ドライブユニット自体に変更はないとのこと。アシストの制御を見直すだけでフィーリングの向上を果たしている点に感心しました。

前後のサスペンションも高品質なものに改められています。特にフロントがエアサスペンションになったことの効果は大きく、荒れた路面でも細かい振動がハンドルに伝わるのを低減してくれます。

このモデルはオフロードを走っても楽しめることが特徴ですが、未舗装路を走るとその恩恵がさらに感じられました。街乗りはもちろんですが、オフロードにも足を伸ばしてみたくなるモデルです。

走る楽しさがさらに向上した「MATE Fusion 2.0」

20×2.4インチのセミファットタイヤを履き、乗って楽しいモデルに仕上がっていたのが先代の「MATE Fusion」。ラインナップの中でもいち早くゴシック体のMATE.ロゴを採用し、フロントのエアサスペンションやコンパクトなディスプレイを装備していて、一足先に新世代に踏み出していたモデルということもできます。

新しい「MATE Fusion 2.0」もこれらの特徴を受け継いでいて、先代モデルと比べても見た目の変化はあまりありません。では、どこが進化しているかというと、アシスト性能。日本国内の法規に対応させながら、先代モデルに比べて約30%のパワーアップを果たしています。

これによって時速20kmまでの到達時間が約40%も短縮されています。実際に乗ってみても加速が良くなっているので、さらにキビキビ走れるように感じました。特に加速させたいシーンでペダルを踏み込めば意図通りにスピードが乗るので、走る楽しさがさらに向上しています。逆にペダルを止めればアシストが残ることがないので、思った以上に進んでしまうことがない制御も好印象でした。

今回試乗したモデルの中では、目に見える部分の進化は少ないのですが、乗っていて一番楽しく感じたのはこのモデル。特にセミファットタイヤとフロントのエアサスペンションの相性が良いのか、段差を乗り越えたりカーブを曲がったり、街中の何気ないシーンでも楽しさを感じられました。

キビキビした走りに進化した「MATE City 2.0」

第2世代モデルの中でも登場したばかりなのが「MATE City 2.0」。20×1.95インチの細身のタイヤを履きながらも、MATE.BIKEらしいフレーム形状で、ミニベロタイプのe-BIKEの中でも個性を発揮できるモデルです。

「City」という名の通り、街乗りに向いていて、街中によくあるラック式の駐輪場にも駐めることができます。従来モデルからの進化点は、前後ブレーキが機械式から油圧式のディスクブレーキとなったこと。ディスプレイもほかのモデルと同様に、コンパクトなボタン一体式のものになっています。

実際に乗ってみると、アシストの制御もブラッシュアップされているようで、出だしの加速が鋭くなっています。小径で細身のタイヤは、停止した状態から走り出しやすいのがメリットですが、そのメリットを存分に活かせるようなアシストフィーリングです。

乗っていて特に進化していると感じたのがブレーキです。油圧式となったことで、少ない力でも大きな制動力を発揮できるようになり、安心感が向上。コントロール性もアップしています。街乗りでは信号などで発進・停止をする機会が多くありますが、着実に止まってアシストを活かして再発進できるので、気になるお店や景色などに出会った際、気軽に止まることができます。

子乗せを前提に開発された「MATE GO+」

今回乗ったモデルの中ではちょっと異色なのが「MATE GO+」です。タイヤサイズは20×1.95と「MATE City 2.0」と同様ですが、チャイルドシートを取り付けることを前提に設計されているため、リアのフレームが長くホイールベースが長くなっています。

また、MATE.BIKEのラインナップの中で唯一、前後にサスペンション機構を搭載していないのも特徴。そのため価格は抑えめで、メインフレームの高さが低いので小柄な人でもまたぎやすいのもメリットです。

アシストのフィーリングは「MATE City 2.0」と似ていて、出だしの加速がパワフル。これは子どもを乗せた際、重量が重くなるため発進時のフラつきを防ぐ効果を狙ったものだとか。今回はチャイルドシートを装着していない状態で試乗しましたが、この加速の鋭さは街乗りではメリットになりそうです。

サスペンションがなく、ホイールベースが長いため、乗り味はほかのモデルと異なりますが、舗装路を走っている限りは振動が気になることはありませんでした。ホイールベースが長いことのデメリットもあまり感じることはなく、小回りも見た目以上に効きます。MATE.BIKEで子どもを乗せたいと考えている人にとっては、待ちに待ったモデルといえるでしょう。

第2世代に進化した3モデルと、新たに加わった1モデルに試乗しましたが、それぞれに進化の成果が感じられ、さらに魅力が増していることが実感できました。後編では、各モデルの詳細をさらに掘り下げます。

 

Text : 増谷茂樹
Photo : 松川忍

Profile

増谷茂樹

自転車・バイク・クルマなどタイヤの付いた乗り物を中心に様々な媒体で記事を執筆しているライター。
「e-BIKE」という言葉がなかった頃から、多くの電動アシスト自転車に乗り、試乗記事などを執筆。

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今回試乗した4モデル

さらに上質になった「MATE X EVO」

走る楽しさがさらに向上した「MATE Fusion 2.0」

キビキビした走りに進化した「MATE City 2.0」

子乗せを前提に開発された「MATE GO+」

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